「ライブ配信のクオリティを上げたいけど、何から手をつければいいの?」 「映像はそこそこなのに、どうも音声が聞き取りにくいと言われる…」
ライブ配信において、「音は映像以上に重要」とよく言われます。どんなに面白い内容や美しい映像でも、音声が不明瞭だったりノイズが多かったりすると、視聴者はストレスを感じて離脱してしまう可能性があります。クリアで聞き取りやすい音声は、視聴者の満足度を高め、配信全体の質を大きく左右するのです。
しかし、マイクの種類は非常に多く、どれを選べば良いか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。この記事では、ライブ配信用のマイク選びで押さえておきたい重要なポイントと、一般社団法人ライブストリーミング協会の知見も踏まえ、プロの配信者も注目する2025年最新のおすすめマイクを5つ厳選してご紹介します。
ライブ配信マイク選びの重要ポイント
最適なマイクを選ぶために、まずは以下の基本的なポイントを理解しておきましょう。
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指向性: マイクがどの方向の音を拾いやすいかを示す特性です。
- 単一指向性(カーディオイド/スーパーカーディオイドなど): マイク正面の音を主に拾い、側面や背面の音を拾いにくい。周囲の雑音を抑えたい一般的なライブ配信(トーク、ゲーム実況など)に最適です。
- 双指向性: マイクの正面と背面の音を均等に拾い、側面の音を拾いにくい。対面インタビューなどに使われます。
- 無指向性(全指向性): どの方向からの音も均等に拾います。複数人の声を一つのマイクで拾いたい場合や、環境音をリアルに伝えたい場合に有効ですが、雑音も拾いやすいです。
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接続方法:
- USB接続: PCやスマートフォンに直接USBケーブルで接続するタイプ。手軽で初心者にも扱いやすく、別途オーディオインターフェースが不要な場合が多いです。
- XLR接続: 主にプロ向けの音響機器で使われる端子。一般的にはオーディオインターフェースやミキサーを介してPCに接続します。ノイズに強く、より高音質な録音・配信が可能ですが、導入コストと専門知識がやや必要です。
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マイクの種類(構造):
- ダイナミックマイク: 比較的構造が丈夫で湿度や衝撃に強く、大きな音にも対応しやすいのが特徴です。ライブステージや楽器の集音にも使われます。周囲の環境音を拾いにくく、ハウリングにも強い傾向があります。
- **コンデンサーマイク:**非常に感度が高く、繊細な音や細かいニュアンスまでクリアに拾うことができます。スタジオ録音などでよく使用されます。電源供給(ファンタム電源など)が必要なモデルが多いです。
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必要なアクセサリー:
- ポップガード/ウィンドスクリーン: 「パピプペポ」などの破裂音(ポップノイズ)や、息の吹きかかり(吹かれ)を軽減します。
- ショックマウント: マイクスタンドや机からの振動ノイズを防ぎます。
- マイクスタンド/アーム: マイクを適切な位置に安定して固定するために必要です。口元に近い位置にマイクを設置することで、よりクリアな音声を拾えます。
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予算感: USBマイクであれば数千円から3万円程度、XLRマイクとオーディオインターフェースを揃える場合は数万円からが一般的です。
【2025年最新版】プロが選ぶ!高音質配信マイクおすすめ5選
ここでは、音質、使いやすさ、コストパフォーマンス、そして実際の配信者からの評価などを総合的に考慮し、特におすすめのマイクを5つ紹介します。(価格は2025年5月現在の目安であり、変動する可能性があります)
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Shure MV7 (USB/XLRハイブリッド ダイナミックマイク)
- 特徴: 伝説的なマイクSM7Bの遺伝子を受け継ぎつつ、USBとXLRの両接続に対応したハイブリッド型。ダイナミック型で周囲のノイズを拾いにくく、声の収録に最適化されています。専用アプリ「ShurePlus MOTIV」による音質調整も可能。
- 想定シーン: トーク配信、ゲーム実況、ポッドキャスト、ボーカル収録。
- 価格帯: 3万円前後
- 一言: 迷ったらコレ!と言えるほど、音質と利便性のバランスが良く、多くの配信者から支持されています。初心者からプロまで幅広くおすすめ。
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Audio-Technica AT2020USB-X (USBコンデンサーマイク)
- 特徴: 定評のあるAT2020をベースにしたUSBコンデンサーマイクの最新モデル。24bit/96kHzの高解像度録音に対応し、クリアで自然な音質が魅力。ミュートタッチセンサーやヘッドホン出力も搭載。
- 想定シーン: トーク配信、ナレーション、楽器演奏の収録(アコースティックギターなど)。
- 価格帯: 1万円台後半~2万円前後
- 一言: コストパフォーマンスに優れ、コンデンサーマイク入門としても最適。確かな音質で配信のクオリティを一段上げたい方へ。
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Rode NT-USB+ (USBコンデンサーマイク)
- 特徴: プロ品質のサウンドを実現するスタジオグレードのUSBコンデンサーマイク。内蔵DSPによる高度な音声処理(APHEXオーディオプロセッサー)が可能で、ノイズゲートやコンプレッサーも適用できます。低ノイズでクリアな収音が可能です。
- 想定シーン: 高音質なトーク配信、ボーカル・楽器収録、ポッドキャスト。
- 価格帯: 2万円台後半~3万円前後
- 一言: ソフトウェア処理も含めて音質にこだわりたい本格派ユーザーにおすすめ。プロのスタジオクオリティを手軽に実現。
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Elgato Wave:3 (USBコンデンサーマイク)
- 特徴: 配信機材で人気のElgato社が手がける、コンテンツクリエイター向けマイク。独自技術「Clipguard」により音割れを防止。多機能ミキシングソフトウェア「Wave Link」が付属し、複数の音源を簡単にコントロールできます。
- 想定シーン: ゲーム実況、複数音源(ゲーム音、BGM、ボイスチャット)を扱う配信。
- 価格帯: 2万円前後
- 一言: 配信中の音声コントロールを重視するストリーマーにとって非常に便利な機能が満載。ソフトウェアとの連携が秀逸。
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Zoom ZDM-1 (XLRダイナミックマイク)
- 特徴: ポッドキャストや配信向けに設計されたダイナミックマイク。温かみのある豊かなサウンドが特徴で、周囲のノイズを効果的に抑制します。比較的リーズナブルな価格ながら、しっかりとした作りと音質を提供。同社のポッドキャスト用マイクパック「ZDM-1PMP」にはヘッドホンや卓上スタンドも付属。
- 想定シーン: ポッドキャスト、ナレーション、トーク中心の配信。
- 価格帯: マイク単体で1万円前後 (パックで1万円台後半)
- 一言: XLR接続のダイナミックマイクを試してみたい方の入門機として、またはコストを抑えつつ安定した音質を求める方におすすめ。
マイクを活かすためのワンポイントアドバイス
良いマイクを選んでも、使い方次第で音質は大きく変わります。
- マイクとの距離と角度: マイクの指向性を理解し、口元から適切な距離(一般的には10~20cm程度)で、マイクの正面から話すようにしましょう。
- 部屋の反響対策: カーテンを閉める、壁際に布を垂らす、本棚を置くなど、身近なものでも反響音(エコー)をある程度抑えられます。本格的な吸音材の導入も効果的です。
- ゲイン調整: 音量が小さすぎるとノイズが目立ち、大きすぎると音割れします。配信ソフトやオーディオインターフェースで適切な入力レベル(ゲイン)に調整しましょう。
まとめ
ライブ配信における音質の重要性と、マイク選びのポイント、そして2025年最新のおすすめマイク5選をご紹介しました。ご自身の配信スタイルや予算、環境に合わせて最適なマイクを選ぶことが、より魅力的なライブ配信への第一歩です。
一般社団法人ライブストリーミング協会では、音声技術や機材に関するセミナーの開催も企画しております。ぜひ当協会のウェブサイトで最新情報をご確認ください。この記事が、あなたのマイク選びの一助となれば幸いです。
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